定款

障がい福祉サービス事業者として指定を受けるためには、「法人格」が必要です。

法人格があれば、株式会社でも合同会社でも、一般社団法人・NPO法人でも構いませんが、法人の定款には指定を受ける事業についての記載が必要になります。

例えば、居宅介護事業の指定を受けたいのであれば、定款の事業目的には「居宅介護事業」を行うことが明記されていなければなりません。

事業目的に記載されていなければ、申請は受理されません。これから法人を設立して指定を受ける場合は、事業目的の記載方法には十分に注意してください。

では、具体的にどのように定款へ記載されていれば良いのでしょうか?

記載方法は、指定を受ける申請先窓口(都道府県または市区町村)によって対応が異なります。

①「障害者総合支援法に基づく障がい福祉サービス事業」と包括的な記載方法とする場合

下記の障がい福祉サービス事業で指定を受けようとする場合、「障がい福祉サービス事業」と包括的な記載とする方法です。

居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、療養介護、生活介護、短期入所、重度障がい者等包括支援、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型、就労定着支援 、自立生活援助及び共同生活援助

「障害者総合支援法に基づく障がい福祉サービス事業」と記載することで、一つ一つの事業を記載することなく、最も事業を広く取り扱えることができます。

東京都では、上記の包括的な記載方法が認められています。

②指定を受ける障がい福祉サービス事業を個別に記載する方法

指定を受ける障がい福祉サービス事業ごとに、個別に記載する方法です。

・障害者総合支援法に基づく居宅介護事業
・障害者総合支援法に基づく重度訪問介護事業
・障害者総合支援法に基づく同行援護事業
・障害者総合支援法に基づく行動援護事業
など。

個別に記載するほうが分かりやすいのですが、個別記載のデメリットととして、追加で他の事業の指定を受けたいと思った場合に目的に記載がなければ、その都度目的を追加する必要があります。

例えば、「居宅介護」で指定を受けていて、追加で「同行援護」の指定を受けようとすると、まず、指定申請の前に事業目的に「障害者総合支援法に基づく同行援護事業」という記載を追加する必要が出てきます。

目的を変更するには法務局へ登記の変更手続きが必要になります。

この登記の変更手続きには、登録免許税が3万円かかります。手間と時間と費用がかかりますので、障がい福祉サービス事業を個別に記載する場合は、将来的に指定を受ける予定がある事業も記載しておくほうが良いでしょう。

尚、「障害者総合支援法」を正確な法律名「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」と記載しなければならないとしている所もあります。逆に法律名は改正される可能性があるので、法律名は記載しなくても良いとしている所もあります。

法人を設立する前に、申請先窓口(都道府県または市区町村)へ確認するようにしましょう。